ブロってますか?
真っ先に反応したのは西川であった。


「う、うんちょっと早かったかな。どうも出張先ではペースが掴めなくてね。」

何でもない会話にも耳が火照るのを感じる健一。


「所長は何時頃来るのかな?」


「それが、電話あって今日体調悪くて休むそうです。」


健一と理恵の会話に割り込むように佐藤が言う。


『ははぁ…昨日の今日で俺とは顔合わせたくないのかな?』

心で呟き、自分のデスクに座りパソコンを立ち上げる健一。

すかさず佐藤がお茶を持って来る。


「あっ、忙しいのにすまないね。僕に構わず自分の仕事してね。」


「いいぇ、これも仕事のうちですからぁ~」


甘えた声で媚びるような視線を投げ掛ける佐藤。


『おぃおぃ、勘弁してくれよ。キャバクラじゃないんだぞ。』少しうんざりする健一。
お構いなしに佐藤が続ける。


「岡村さん、後で少しお仕事の事でお話しがあるんですけど…いいですかぁ~」

「仕事の事なら今聞くけど、何ですか?」


少し冷たく健一が言う。


さっと佐藤は健一の耳元に口を近付け何事が囁く。
瞬間、健一の顔色が変わり…
「じゃ、後で会議室で話し聞きます。」

その様子をじっと見る理恵
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