菓恋(かれん) ~be+ひと目惚れing~
Last Act 「一寸のあたしにも恋の魂」
そして運命の2月14日、早朝――――


昨夜、徹夜して作った“勝負チョコ”を、王子が喜んで食べてくれることだけを想像しながらピンクのリボンを使って丁寧にラッピングしているあたしがいた。

そして最後のメールのつもりで、王子にこんなメールを送信した。


『王子、オハヨー♪

がんばってやっと完成させたよ♪

食べた瞬間、王子がニコニコの笑顔になれる“魔法のチョコ”が完成したんだよ♪

今からそれを持って出掛けるところ♪

ひょっとして王子はあたしのこと、“バカじゃね!?”とか思ってるかな?

たしかにね、いま王子がどこにいるのか分かんないし、どうやって渡したらいいのかも全然分かんないよ……。

でもバカみたいでも、それでもあたしはチョコを持っていく!

諦めたらそこで終わりだし、諦めたくないし、どうしても諦めきれないから……

今日は“St.バレンタイン”

世界中の女のコたちに奇跡が起きる1日だし、あ~ァ、あたしにも奇跡が起きないかなぁ…なんて(爆)』

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