菓恋(かれん) ~be+ひと目惚れing~

「キ~ン、コ~ン、カ~ン、コ~ン…♪」

その日、最後の授業の終わりを知らせるチャイムの音が、あたしにはまるで闘いのはじまりを知らせるゴングみたいに聞こえた。

そしてココロの中で…、

“行くよ!”

…って叫んだ!



「今日もリムジンのお迎え来てるの?」

教科書をカバンに入れていたあたしに向かって千夏が言った。

「100パー来てるよ」

「じゃ、あたしたち先に帰るから」

「うん、バイバイ」

「バイバイ」

「バイバイ」

教室を出ていく千夏&朋子。


あたしは「ふぅ…」と小さなため息をついた。

今日も山野辺さんのリムジンが校門の前で待ってるはず。

だったらダッシュで強行突破して、チョコを渡しに行かなくちゃ。
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