運命のヒト
降参のポーズ、という風に両手の手のひらを顔の横で広げ、あっさり争いを中断するシロ。
渋々、大我も矛を収めたけれど、目には警戒心をたぎらせたままだ。
いつまた衝突が起きるか、あたしは気が気じゃなかった。
「俺はシロ。ちょっと色々あって、しばらくここに住ませてもらうことになったんだ。ヨロシク」
軽いスマイルと共にシロが差し出した手を、大我は当然のごとく無視してシロに尋ねた。
「お前、本名は?」
「それって重要かな」
ぴくり、と大我の眉間にしわが寄る。
「やましいことがねぇなら言えるだろ。黙ってたら疑うのが普通だ。美園はアホだから簡単に信用しただろうけどな」