運命のヒト
大我が、ビルの前の街路樹にもたれて立っていた。
「よぅ」
何でもないように挨拶して、こちらに歩いてくる大我。
だけど、北風でかさついた頬が、ずっと外で待っていたことを物語っている。
「どうしたの……風邪ひくよ」
「今から時間あるか?」
うなずくと、大我は車道を向いてタクシーを探し始めた。
年末でこの時間帯、空車はなかなか見つからない。
大我は連なる車のヘッドライトに目をやったまま、話し始めた。