運命のヒト
「どこが“小”猿なのさ」
素っ頓狂な声を上げて驚いたあたしに、チハルが肩をすくめる。
「いや、まぁたしかに背だけは伸びたけど……」
「大我くんのことそんな風に言うの、美園くらいだよ。高校の頃とか一匹狼って感じで、下手なこと言えなかったもん」
一匹狼っていうか、友達がいないだけでしょアイツは……。
「でも、そーゆうとこがモテるんだろね。顔も相当いいし」
「ありえなーい……」
つり革に捕まって首を振りながら、あたしは無愛想な幼なじみの顔を思い浮かべてみる。
直線的な眉。切れ長の目。
しっかりと筋の通った高い鼻。
いつも不機嫌っぽく結ばれた唇。
短めの黒髪はセットしてるところをほとんど見たことがない。
あれが、モテる部類に入るんだろうか。あたしからしてみれば、ガサツな小猿がそのままデカくなっただけに見えるんだけど。