運命のヒト

行かないで。
お願い。
おいていかないで。

もう無理言わないから。
がんばって受け入れるから。

あと一分でも、一秒でも、シロを感じさせて、お願いだから――……。


もう少しで角を曲がるところで、足がもつれて転倒した。

膝がすりむけて、血がにじんで
そしてあたしは堰を切ったように大声で泣いた。


……胸が潰れたように痛い。

痛いよ、ねぇ、シロ。


もっと話したかった。
もっと触れたかった。
もっとあなたに恋していたかった。

たとえ、終わりがくるとわかっていても――。
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