運命のヒト
「いや、あの……」
いつから気づかれてたんだろう。探してたこともバレてるとしたら、ものすごく気まずい。
「昨日モメてた男のこと?」
あたしの狼狽をよそに、彼は淡白な口調で尋ねた。
「あ……うん。そ、そう」
へぇ、とつかみどころのない笑みを浮かべる彼。
昨日は夜だったから気づかなかったけど、改めて見ると歳はあたしより少し若そうだ。たぶん、ハタチそこそこ。
幼さの残る顔だちに、いかにも女ウケのよさそうな雰囲気。
昨夜の思いつめたような表情と、ギャップがありすぎて別人みたい。
けれど、どこか寂しげで甘い瞳はやっぱり同じだと思った。
「あの」
あたしは思いきって昨夜のことを切りだした。