運命のヒト

オーナーさんは、すべて見透かしたような瞳で言った。


「別れは、不幸かしら?」

「え?」


「もちろん、わたしも彼を失ってたくさん泣いた。

だけどその悲しみのせいで、幸せだった時間まで塗りつぶしてしまったら、その方がよっぽど不幸だと思わない?

どんな出逢いにも、別れは必ずやってくる。

そして、人は忘れながら生きていけるの」


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