運命のヒト

辿り着くと、シロが手のひらを差しだした。

あたしはそっと自分の手を重ねた。


「……結婚式みたいだね」


テレ笑いして言ったあたしに、シロは微笑んでうなずく。


「死がふたりを別つまで、ってやつ?」

「うん」


だけどあたしたちの場合は、“時がふたりを別つまで”だ。


別々のふたつの時間が重なったのが運命なら。再び別れることも、運命なんだろうか。

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