運命のヒト

喉が詰まったように苦しくなった。

目の奥が痛いほど熱くなり、だけど、涙はこらえた。

泣いて喚くのは簡単なんだ。


「ねぇ、今日の晩ゴハン、なに食べたい?」

「ん~。大我が作ったメシかなぁ」

「いいね。アイツ今日は仕事休みだから、美味しいもの作らせちゃお」


あたしたちは笑った。


最後の“今”を抱きしめて、笑った。


< 318 / 415 >

この作品をシェア

pagetop