運命のヒト

たしかにレストランより、家で食べる方がしっくりくる素朴な味。


「そっかー、家庭料理か」

シロはフォークを置くと、しみじみとお皿を見つめた。


「俺、そーゆうの知らずに生きてきたけど、これからはこれが俺の家庭の味だと思うことにしよっと」

イタリア人じゃねーけど、と自分で突っこむシロ。


けれど、あたしと大我は、一瞬黙ってしまった。


あたしたちの知らないシロの“過去”。

そして、もう見ることはできない、シロの“これから”……。

< 321 / 415 >

この作品をシェア

pagetop