運命のヒト
たしかにレストランより、家で食べる方がしっくりくる素朴な味。
「そっかー、家庭料理か」
シロはフォークを置くと、しみじみとお皿を見つめた。
「俺、そーゆうの知らずに生きてきたけど、これからはこれが俺の家庭の味だと思うことにしよっと」
イタリア人じゃねーけど、と自分で突っこむシロ。
けれど、あたしと大我は、一瞬黙ってしまった。
あたしたちの知らないシロの“過去”。
そして、もう見ることはできない、シロの“これから”……。