運命のヒト

「……うん、わかった。今度こそちゃんと帰るよ」

シロはそう言って、今までにないほど穏やかに微笑んだ。


「この時間に来たのは、俺にとって予想外の寄り道だったけど、マジで楽しかった」


シロ……。


「大我とのケンカも、いい思い出だ」


シロ……待って……。


「ありがとう。元気でな。美園――」


シロの体はすでに実体を失くしかけていた。

古い映写機の映像のように、ノイズがかかっている。

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