運命のヒト

もとの時間に引き戻されそうになる感覚が時々あって、そのたびに俺は怯えた。

いっそこのまま幸せな時間の中で死んでしまいたい、とすら思うほど。



そして、美園の23歳の誕生日。

俺は黙って家を出ていっただろ?


あの日な、実はある場所に向かったんだ。いつまでもこのままじゃダメだって決意したから。


特急電車に3時間揺られ、そのアパートに着いた。

俺の唯一の身内とも言える、兄貴の部屋。

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