運命のヒト

表札を見ると幸いにもまだ住んでいるようだった。

兄貴が留守中のその部屋に、俺は合い鍵で入った。

――そして、そこで見たんだよ。


2012年には、俺はもう存在していないっていう事実。

自分の遺影を。




……ごめんな、美園。

これが、あのときお前にすべてを打ち明けられなかった理由。


だって言えるわけねーじゃん? 本当の俺はもう死んでます、なんて。

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