運命のヒト
「心配してもらわなくても、適当に探すから」
そう言って歩き始める彼。
あたしはとっさに、さっきの女性が呼んでいた名前で呼びとめた。
「タカシくん!」
彼の足が止まる。
「適当に探すって……他の女の人に声かけるの?」
肩越しに振り返り、無表情であたしを見る彼。
「その人のことも、あたしみたいに抱きしめるの?」
プッ、と彼が吹き出した。あたしは耳まで赤くなった。
我ながら、なんてバカな質問だ。
彼が他の女に何をしようが、関係ないって自分で言ったのに。