運命のヒト
あたしはロレツのまわらない、投げやりな口調で続けた。
「なんで恋愛もセックスもあんな簡単に始められるんだろ。
簡単だから始めちゃうじゃん。始めたら、なんかそこに愛があるっぽい気になるじゃん」
「……はぁ」
シロが怪訝そうに相槌を打つ。
「でも、結局いつも続かない。見つけたと思ったらニセ物でした、のくり返し。毎回のことなのに、あたしはバカだから簡単な方に流されちゃう」
愚痴りながら、ビール缶を持つ指に力を入れると、ベコッと軽い音がした。
あたしの恋が壊れるときの音も、きっとこのくらいの軽さだと思った。