運命のヒト
「そう長くはいないと思う。俺、どうしても行かなきゃいけない所があるから」
「え?」
冷たいすきま風がいきなり胸に吹き込んだ。
固まったあたしとは裏腹に、にぱっ、とまた笑顔に戻るシロ。
「だから、ここに住み着くことはないから安心して」
「あ……う、うん」
行かなきゃいけない所ってどこ?
いつまでここにいられるの?
そんな言葉をあたしは喉の奥で抑えた。
だけど、シロのことを知りたい気持ちを完全に捨てることはできず
「ねぇ……」
代わりに他の質問を投げかけた。
「シロはここに来る前、どこにいたの?」