桜、雪、あなた



「…何がよろしくじゃい…バカヤロー…」





突然の移動の話。



しかも移動するなら
来月の終わりだと言われた

後1カ月ちょっとしかない

(ほぅら!人使い荒い!)

(会社なんてそんなもんなんだよ!!)

(社会なんてそんなもんなんだよ!!!!)

「はぁぁぁぁっ」





…せっかく初売りも終わって仕事がやっと落ち着いたと思ってたのに

どうしてこうも上の人間は簡単に物事を決めてしまうんだろう。





「はぁぁぁぁ〜〜」

「店長?
どうかしたんですか?」

「へっ?あ、いや…」





新店舗、かぁ…

確かにやりがいはあるけどここと離れるのもちょっと寂しい様な…





「………」





“離れる”





「………」





…離れる、か…。

……でも、そうだよね

あの日から気が付けばもう1年以上が経ったんだ。

1年以上も経ったのに何も変わらないあたし。

だったら
環境を変えるには今が1番のチャンスなのかも知れない。

ヨウスケくんと同じ建物の中、同じ空間にいるから





『忘れられない』





それは
否定できない事実だし、
それならいっそう
ヨウスケくんに会えない環境に自ら飛び込む事で

忙しい毎日に追われて
ヨウスケくんの事を考える時間が減るかも知れない。





ミキちゃんも
後輩ちゃんも、

もうここにはいない。



< 133 / 198 >

この作品をシェア

pagetop