桜、雪、あなた



「…ーよしっ!」





本日の仕事終了!!

(あぁ〜足が痛い〜)

あたしは
仕事を終えると
さっさと帰りの支度を整えて店を後にした










従業員出入口までと向かう通路は
照明がほぼ消されていて

非常灯の光だけが頼りになる



閉店時間はとっくに過ぎているから

従業員の姿さえ見当たらない。





『さみしー………』





妙に薄暗い館内は
昼間とは考えられない程の静けさに包まれている





「………」





まるでシィ…ンと
音が聞こえる様な

だけどどこかで聞こえる機械音が

緑色に光る非常灯が
あたしの
寂しさを一層引き立てる。





『この静けさが独身女にはやたらしみるのよねー』



『そうだ、帰る途中にスーパーに寄って焼酎とおつまみ…あ、焼豚食べたいなー』



『でも太るかなぁ。最近腰回りのお肉取れないし、お尻もヤバいし』



『あ、そうだ!DVDでも借りて徹夜で見るかなー』





「………」





そんな事を考えている自分に気が付いて

あたしは
思わず立ち止まった





『…何かあたしこの灯りに負けていない位寂しくない?』

と、
何だか自分が世間で言われるいわゆる

“負け犬”の
代表格にいる様な

(あーやだやだ。)

そんな気になって

(ずーーーーーん)

気分が滅入りそうになった時、










パサッ





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