桜、雪、あなた



「…よし、到着!」

「…うん」





そして気が付けば
あっという間にあたしの家の前に到着していて



だけどお互い
すぐに離れようとはせずに

そのまま立ち止まって自然とあたしたちは向き合った。










厚い雪雲があたしたちを覆った










「……ほ、本当寒いのにわざわざ…ごめんね?ありがとう」




あたしはやっとの思いで言って





「…いや、いいんだ。おれが、送りたかっただけだし…」





ヨウスケくんの顔を見た。





「…ヨウスケくん?」





思わず語尾を上げて名前を呼んだ





「……どうしたの?…」

「…え?」





…だって

また
辛そうな顔をして





「…元気、ないみたいだけど…」





あたしを見ていた、から。





「…あっ、悪りぃ。」

「……ううん、大丈夫?」

「おぅ」

「そっか」

「………」










ーどうしよう、何から話せばいいんだろう





「………」





ー何から聞けばいいんだろう





「………」





でもきっと、ヨウスケくんだってそうだよね

言葉を探す時の
頭に手を当てるそのクセ、



…相変わらずだね





「ははっなした?」

「…ううん」










…ー冷たい空気に
乾いた笑い声、

消える笑顔





ヨウスケくんの、その表情の理由に

触れていいのか
どうなのか

迷う

あたし。



ーそして





「…ミオ、ちゃん」





ヨウスケくんの
少し低い声、





「え?」





…辛そうな 顔、

動く 唇は










「…泣いてただろ?…」

と、
言って





「目ぇ真っ赤」

「…あ」










「おれ、か?」

と、
続いた



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