桜、雪、あなた



「そっか、近いんだな」

「うん…」





泣いちゃだめ





「引っ越しはしないんだろ?」

「その予定はないけど…」





絶対に
泣いちゃ、だめ





「ミオ、ちゃん」

「は、はい」





あたしは詰まる声を押さえて返事をした



涙が零れない様にとゆっくり顔をあげた

…すると、










「…―あの時は本当にごめん。」










ヨウスケくんが
そう言って





「………え、」

「おれきっとすげー傷つけた…。ずっと引っ掛かってたんだ…」





あたしに頭を下げた。





「…へ?」










『本当にごめん。』










「………」










ーねぇ、どうして?

どうしていつだってヨウスケくんは自分を責めるの?





『おれが、おれがいけなかったんだ』





ーあの時も、





『本当にごめん。』





…今、も。





「…そんな……」





だ って。

あたし



あぁ…そんな事

だって、あたし



ヨウスケくんを責めた事なんて

一度もなかったのに…。




「…そっそんな昔の事っ」





ヨウスケくんが謝る事なんてひとつもないのに





「だって今、あ、あの時と同じ冬だよっ?」





だから
あたしは強がった。



本当はそこから進めていないけど





「もう1年も前の事…だよっ?」





1年は、やっぱり長くて





「気にしなくてもいいんだよっ?」





めちゃくちゃ気にしてるけど





「ミオちゃん…」

「…っ」





あたしは

“ヨウスケくんを一度も責めた事なんてない”

と、
その気持ちだけを知ってもらいたくて





「何か逆にごめんね?
あたしもう大丈夫だもん!」





ははは

って
笑顔で返したんだ



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