桜、雪、あなた



…それなのに

ヨウスケくんはそんなあたしの顔を見て





「…そっかもう1年も前の事だもんなー
何か ダセーなおれ」

って
言った





「…そんな事ないよ!ダサくなんかないよ!」





そんな顔しないで

と、
大きく手を振って
それを否定したあたし。

すると
ヨウスケくんがぱっと顔をあげて





「あっもうもしかして新しいカレシできたりしたりした?」

と、
さっきとまるでちがう笑顔であたしに尋ねてきた





「ま、まさかまさかっ!あたしは変わらずだよ!」

「またぁ」

「いや、本当に!
このままだと確実寂しい20代最後をひとりで過ごすはめになりかねないよー」





あたしは左手をひらひらとヨウスケくんに見せた





「指輪ついてないしょ?」

「嘘だぁ」

「いやマジマジ」

「だってミオちゃんフツーにモテるでしょ。顔だってめんこいし」

「ないないっないからー!」

「それに年の割に若く見えるし?」

「あーひっどー!!
めっちゃ失礼だしっ!
アラサーに向かってまじ失礼だぁー!」

「あはは!嘘だよ嘘っ」

「いやてか何が嘘なのかもわかんないしっ」





…なんて、
久々に前の様な会話。
こんな会話さえ今じゃ懐かしい





「…ヨウスケくんだってもうオジサンじゃん」

「まぁなー30歳になったからなー」





だって
こうやって久々に会ったのに

前と同じ風に





「…オジサン。」

「あー?でも来年ミオちゃんも30歳だろー」

「…う」

「したらミオちゃんだってオバサンだな」

「……う」





今きっと
あたしたち、ちゃんと喋れてる。



あたしは
ドキドキしてる、けど

…その笑顔、本当は
ずっと隣で見てたいよ



…なんて言ったら
またヨウスケくん困っちゃうかな、





「………」





困っちゃうよね



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