桜、雪、あなた
「だったらいいんだけど…」
「大丈夫、まじで違うからな?」
「うん」
そして、
少しの間を置いてヨウスケくんが
「てか、ミオちゃん 引かない?」
そう言った。
「え?何に?」
あたしは聞き返した。
何…?また、突然
「………おれ、さぁ。ダメだなって自分でも思うんだけどさ」
「うん」
「…ミオちゃんに、だから言える事なんだけど……。」
「うん」
あたしに、だから…?
「…おれ、さぁ」
「うん」
『あたしが 特別だから?』
ーなんて。
「昔付き合ってた彼女の事、きっとまだ
ずっとどっかで引きずってんだ」
あたしのばか。
また期待してー。
「…………」
ヨウスケくんの声は
とても
悲しそうな声だったの
「えっ…と」
それでもあたしは期待した事を悟られない様、
「…忘れられない人がいる、の?」
できるだけ普通に聞いた
「いや、忘れられないっつーか…」
すると
ヨウスケくんは少し困った様に
「やべーおれ。酔ってんなー」
自嘲気味に笑いながら
カチっと、タバコに火を着けた。
あたしは
黙ってヨウスケくんの次の言葉を待った。
鼓動の速さが加速していく
吐き出されたタバコの白い煙が高く昇って、
消えていく
グラスの中の氷が
カラン と、音を鳴らして溶けていく………
その時。
「ははっ」
ヨウスケくん、笑った。
笑って、
…笑ったんだけど寂しそうに
「それだけ」
って
切なそうな顔で
あたしに、言った