桜、雪、あなた



「ま、そんな感じ。ミオちゃん聞いてくれてありがとな」

「いやいや」

「ミオちゃんってまじイイ子だよな」

「そ、そんな事ないってば!」

「こんなヘタレな男の話を聞いてくれてありがとうございマス。」

「は、はぁー?何それー!!」





あたしは結局ー。

ヨウスケくんの事を何にも 知らなかったんだ。
こんなに純粋で、真っ直ぐで。

“それだけ”の

言葉の意味を、
言葉の重さを。

どんな気持ちで言ったのか

…それでも
バラバラに散らばった数少ない言葉たちを繋ぎ合わせる
そんな不器用さがヨウスケくんらしくて

その時で止まったまま
大人になったヨウスケくんと
幼かったヨウスケくんの面影を重ねる事は

“今”

しか、知らない
あたしにはできないけれど、



「わかってたんだ。相手にされていなかった事位」

「ずっと側にいてアイツを見ていたから」



一生懸命 恋をして
必死に忘れようとしているんだって

それだけはあたしにちゃんと伝わった。



「つーか、下らねぇよな」



なんて
ヨウスケくんは言うけれど



「ダセーよなぁー」

「ダチにもいつまで女のケツばっか追っかけ回してんだよって散々ばかにされて」



しょーもない恋愛ばかりを繰り返してきた
あたしには



「…だけど、まぁいつか。その彼女と重ね合わせた相手をすきになったとかじゃなくて」

「心から純粋にすきになれた相手とイイ恋愛してーよって感じ?」



そんなヨウスケくんが



「………」



誰よりも、
輝いて

見えたんだ





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