あなた色に染まりたい

記憶

電話越しの蓮は凄く心配していて、あたしは何度も何度も謝った。


食堂へ行くと、四人ともさっきと同じ場所に座っていて、ずっとあたしを待っていてくれたんだなぁと、申し訳ない気持ちになった。




「ごめんね……」




あたしが謝ると、真っ先に声をかけてきたのは……美香。




「心配したよ……何してたの?」


「ボーッとしてた……てか、あたしどのくらい姿を消してた?」


「一時間。」


「え!?そんなに経ってた?」




屋上に長くいたとは思っていたけれど、一時間も経っていたなんて……




「はぁ……で、大輝さんは何だったの?」




あ……


やっぱ言わなきゃならないのかな……


言いたくないと思ったら、無意識にうつむいていた。




「まぁ、いっか。さて、紗羽も来たことだし行きますか?」


「え……どこ行くの?」


「今日は晴希の誕生日でしょ?」


「あ……そっか。」




大輝とのことでいっぱいいっぱいだったから、すっかり忘れていた。


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