あなた色に染まりたい
「俺さ、この二年半、アメリカで一人で頑張ってみて、すっげぇ自信ついた。ぜってぇに紗羽のことを幸せにする。もう二度と裏切らねぇ」




それだけ言った大輝は、また一歩前に出て……




「紗羽……愛してる。俺と、結婚してください」




その言葉に、ドキンッと心臓が跳ねた。


まさか、プロポーズされるなんて思いもしなくて……


あまりの驚きに声が出なかった。




「返事はゆっくり考えてくれていいから……これ、置いてく」




あたしが寝てる枕の横に置かれたものは……


フタがパカッと開けられたケースに入っている、キラキラ輝くダイヤの指輪。




「大輝、あたし……」


「待った!今、返事すんな。一世一代のプロポーズだから、もっとゆっくりじっくり考えてほしい」




あたしの声を遮って放たれた言葉に、出かかっていた言葉が喉の奥で、クッとつまった。




「じゃあ、俺帰るわ。鍵もここに置いていく」




テーブルの上にチャリンと音を立てて置いた。


大輝はそのまま帰っていった。


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