あなた色に染まりたい
あの時は、蓮への気持ちに気付いたばかりで、ずっとどきどきしていた。




しばらく歩いてると……




「あ、これ」


「ん?」




昨年二人で並んで座った、大きな丸太があった。


足は自然と、その場所へと向かう。


そして、昨年と同じようにそれに座った。


目を閉じると、静かな波の音が聞こえる。


凄く、癒される。




「……っ!」




突然蓮が……


目を閉じていたあたしに……


キスをしてきた。


触れるだけのキス。




「な、なにっ!?」


「したくなったから、しただけ」




なんて、笑顔でいう蓮に、胸がきゅんとなる。


一度触れられてしまったら、また触れたいって、欲が出てくる。




「蓮」


「ん?」


「もっとして……」


「……」




蓮はあたしの肩に腕を回して……


もう一度、触れるだけのキスをした。
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