あなた色に染まりたい
「紗羽、あんまり煽んな。俺、止めらんねぇ」




そう言って、今度は熱くて深いキスを落とした。




「……れ…んッ…」




ここが海だってことを忘れて、夢中でキスをした。




唇が離れて、おでことおでこを合わせる。




「やべぇ、紗羽、可愛すぎ」


「なっ!」




蓮のストレートな言葉に、胸がトクンと高鳴る。


でも……




「蓮だって、カッコイイ。……心配だな」


「ん?何が?」


「また女の子に囲まれてないの?」




半年くらい前、急に両手に花状態で女の子に囲まれ始めた蓮。


そんな蓮を見て、いっぱいいっぱいやきもちをやいた。




「ちゃんと断ってるよ、彼女がいるからって」




“ちゃんと断ってる”って……


そう言ってる時点で、コクられてるって事実があるってわかる。


はぁ……


なんか、イヤだな。


わかんないとこで、蓮がコクられてるとか。
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