あなた色に染まりたい
「あたしは蓮から離れないよ。もし離れるとしたら……」


「“離れるとしたら”なんだよ?」




蓮は眉間に皺を寄せながら聞いてくる。




「蓮が、あたしから離れたときだけだよ」




あたしからは絶対に離れないもん。




「じゃあ、安心だな」




今度はやさしく微笑む。




「安心?何が?」




首をかしげながら聞くと




「俺も紗羽から離れることは、絶対にないから」




ドキンッ――…




いつもどこかに抱えている不安。


三つも年上だから、蓮はいつか若い子の方がよくなるんじゃないかと、不安になる。


でもこうやって、言葉にしてくれるとやっぱり安心する。
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