あなた色に染まりたい
海の幸たっぷりの夕食をお腹いっぱい食べて、もう一度温泉に入った。


今度は逆上せないように、適度に浸かった。



部屋に戻ると、布団が二枚並べて敷かれていて……


二年前に来たときは、まだ付き合ってもいなかったから、この布団を見て必要以上にどきっとして、意識していた気がする。


今もどきどきしないわけじゃないけれど、週末はいつも肌を寄せ合って眠っているから、こういう光景に意識したりはしなくなった。


そんなことを考えていると、隣に座っている蓮があたしの顔を覗き込みながら口を開いた。



「紗羽、一杯やる?それとも寝る?」


「蓮は?」


「んーそうだな、少し飲むかな」


「じゃああたしも」



そう言うと、蓮は冷蔵庫に手を伸ばして缶ビールを二本取り出した。



「はい」


「ありがとう」



それを受け取ってからプルタブに指をかけてプシュッと開く。
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