あなた色に染まりたい
「外見もそうだし、いつもあたしに言ってくれることもそうだし……」




温泉へ行った時、お風呂上がりの蓮にメチャクチャ色気があって、凄くドキドキしたことは内緒。




「時々蓮の方が年上じゃないかって思う時がある。」


「マジで?」


「うん。」




静かに打ち寄せる波の音を聞きながら、キラキラした海を眺める。



凄く、綺麗だなぁ……



あまりにも綺麗で、あたしは引き寄せられるように、波打ち際まで歩いた。



砂浜にしゃがみこんで、打ち寄せる海水に手を付ける。




「気持ちいい。」




蓮もあたしの横にしゃがんで、同じように手を付けた。




「なんか……癒されるね。」



「そうだな、嫌なことがあってもすべて洗い流してくれそう。」



「ホントに流してくれればいいのに。」




つい、本音が出てしまった。



隣から、蓮の強い視線を感じる。




「なぁ……ちょっと気になってることがあるんだけど。」




珍しく蓮の沈んだ声。




「何?どうしたの?」


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