あなた色に染まりたい
手を、繋いでもいいかな。




歩くたびに前後に動く蓮の左手をジーッと見る。


後ろに来た時に触れたふりをする?


だからっ、素直になるんだって。




「蓮……手を繋ぎたい。」




そう言うと、蓮はこっちを振り返って、ニッコリ微笑みながら、手を差し出してきた。




やった!




その手に自分の手を乗せると、蓮はぎゅーっと握り締めてくれた。




ドキドキドキドキ……




蓮への想いを認めたとたん、ただ手を握っただけなのに、心臓が忙しそうに暴れ始めた。




どうしよう……


あたしやっぱり……


蓮のことが、好きだ――…




さっき“蓮のことを好きになったら信じられなくなるかもしれない”なんて言っておいて……




今さら好きになったなんて、言えるわけがない。


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