あなた色に染まりたい
電車に揺られながら、窓から景色を眺めている蓮の横顔を見つめる。


やっぱり今まで通りでいられる自信がない。


あたしって、こういう想いを隠すのが凄く下手なんだ。




大輝に片思いしていた頃、美香には散々からかわれたからなぁ。


すぐに赤くなったり青くなったりするって……


大輝を前にすると、ほとんどしゃべれなかったんだもん。




今あたしが蓮に抱いてる気持ちは、その時の大輝に抱いてるそれと同じ。


すぐに頬が赤くなったり……


突然しゃべらなくなったり……


目を合わせられなくなったり……




そんなあたしになったら……蓮はどう思うのかな。




「蓮、帰りにケーキ買って帰ろう?」


「ん、そうだな。」




微笑みながらそう言った蓮が、今は愛しくてしょうがない。


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