あなた色に染まりたい
「蓮……」


「ん?」


「蓮……」


「何?」


「蓮……」


「紗羽さん、どうかした?」




なんか、無性に蓮の名前が愛しくなって、何度も呼びたくなってしまった。


そんな意味不明なあたしにも、蓮はやさしく微笑んでくれる。




食事が終わった蓮は、あたしの横に来て肩に腕を回して、引き寄せた。




ドキドキドキドキ……




ダメだ……


飲んでもドキドキは変わらない。


いつもされてることなのに、初めてされたことみたいにドキドキする。




でも、蓮に触れると気持ちいい。


凄く、安心する。


蓮の肩に頭を預けて目を閉じると、もっと蓮を身近に感じた。




「蓮……キスしたい。」


「えっ!?」




あ……


つい“手を繋ぎたい”と同じ感覚で言ってしまった。


手を繋ぐこととキスは違うもんね。




「ごめん、少し酔ってるみたい。」


「……」


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