あなた色に染まりたい
「うん、あっそうだ!ケーキ食べよ?」


「ん」




蓮が立ち上がろうとするから




「蓮は座ってて!あたしが持ってくるから」




ケーキをお皿に乗せて、フォークを出して……


アイスコーヒーを用意する。


それらをお盆にのせて部屋へ持っていった。




「じゃあ、あらためて……蓮、お誕生日おめでとう!」


「サンキュー」


「蓮のおかげでケーキが食べられる。こちらこそありがとね」




実は甘いものが大好きなあたし。


ケーキは特に、毎日でも口にしたい。


フォークで割るように掬ったスポンジと生クリームを、次から次へと口へと運ぶ。




「おいしい」




凄く幸せだ。


目の前に視線を移すと、蓮も美味しそうにケーキを食べている。


そんな蓮があたしの視線に気付いたのか、顔をあげて……思い付いたように口を開いた。




「そういえば、紗羽さんの誕生日っていつ?」


「9月22日だよ」


「秋か……その日さ、俺が予約してもいい?」


「予約?」




その言葉の意味がわからず、首をかしげる。




「ん、俺と一緒に過ごしてくんねぇ?」




トクンッ……



その言葉に返事をするように、心臓が音をたてた。


どうしよう……


凄く、嬉しい……


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