あなた色に染まりたい
ピンポーン……
この穏やかな空気の中で鳴り響いたインターフォン。
悟かな……
こうやって美香と飲んだ日は、悟がバイト帰りに美香を迎えに来る。
玄関を開けると、やっぱり悟で……
「お疲れ様。どうぞ、中に入って。」
「おぉ……サンキュー、ちょっとあがらせてもらうわ。」
先に部屋の中へと入っていく悟の背中をを見ながら、あたしはグラスにアイスコーヒーを注ぐ。
それを部屋に持っていくと……
「あれ?美香が寝てる。」
「俺が来た時にはすでに寝てたけど?」
「え!?今の今までしゃべってたんだよ。」
あたしに説教をしながら、滑舌よく話していたのに。
美香はお酒があんまり強くないし、限界だったのかな。
「どうする?」
「とりあえず、これ飲ませてもらうわ。」
そう言って、悟はアイスコーヒーに口をつけた。