あなた色に染まりたい


ピンポーン……




この穏やかな空気の中で鳴り響いたインターフォン。


悟かな……


こうやって美香と飲んだ日は、悟がバイト帰りに美香を迎えに来る。


玄関を開けると、やっぱり悟で……




「お疲れ様。どうぞ、中に入って。」


「おぉ……サンキュー、ちょっとあがらせてもらうわ。」




先に部屋の中へと入っていく悟の背中をを見ながら、あたしはグラスにアイスコーヒーを注ぐ。


それを部屋に持っていくと……




「あれ?美香が寝てる。」


「俺が来た時にはすでに寝てたけど?」


「え!?今の今までしゃべってたんだよ。」




あたしに説教をしながら、滑舌よく話していたのに。


美香はお酒があんまり強くないし、限界だったのかな。




「どうする?」


「とりあえず、これ飲ませてもらうわ。」




そう言って、悟はアイスコーヒーに口をつけた。


< 94 / 423 >

この作品をシェア

pagetop