あなた色に染まりたい
「紗羽さんって、お盆は実家に帰んの?」




あたしが、どうやって想いを伝えようかと気を揉んでいる間に、蓮が今思い付いたように口を開いた。




「んー、たぶん帰ると思う。蓮は?」


「今、迷い中。バイトも入ってっから、慌ただしいし」




そう言って、手に持っていたビールを口に運ぶ蓮。


喉を鳴らしながら飲んでる様が、凄く色っぽい。




「でもさ、いつも一緒にいるから、紗羽さんが実家に帰ってる間、俺寂しくなりそう」


「あたしもだよ。蓮と会えないのは寂しい」




つい、本音が出た。




「え!?マジ?それ、すっげぇ嬉しいんだけど」




あたしのその本音に笑顔で喜んでくれる蓮を見ていたら、今すぐ、想いを伝えたくなった。




「ねぇ蓮、あたしさ……」




そう口にしたとたん、心臓がドキドキと暴れ始めた。




「ん?」


「あたし……蓮のこと、好きだよ」


「は?」




あたしの突然の告白に、蓮はかなり驚いた顔をしている。


でもすぐに表情を崩して、口許に笑みを浮かべながら言葉を発する。




「それって、いつもの紗羽さんお得意の“友達として”ってやつ?」




確かに、いつもそう言っているけれど……


そうくるとは、予想外だった。




あたしは首を横に振って否定した。




「恋愛の“好き”」


「……マジで?」




目を見開いている蓮を前に、コクンと頷いた。


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