あなた色に染まりたい
先に入った蓮のあとに、冷蔵庫からビールを出して、ついていった。




「紗羽、帰るわ。」


「うん、美香は?まだ寝てるんでしょ?」


「ん、担いで行くよ。蓮もまたな。」


「はい、また。」




悟は、ひょいって美香を担いで帰っていった。




「悟さん、いつ来たの?」


「ついさっきだよ。それがね、悟が来て玄関の鍵を開けに行ってる間に、美香ってば寝ちゃったんだよ。メチャクチャ早業じゃない?ビックリしちゃった。」


「はは……はえー。」


「でしょ?」




蓮とこうやって、たわいもない話をしながら、笑い合う時間が好き。




そういえば……蓮に気持ちを伝えるんだった。


今更、なんて言えばいいんだろう。


都合よく、そんな話になるとは思えないし。


会話の中で、サクッと“好き”って言っちゃう?




自分から告白するなんて、中学生以来だからどうしていいかわかんない。


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