奇跡みたいな奇跡
私は誰もいない廊下に出て
少し行くと
しゃがみこんだ

「・・・ッ・・・」

私はまた涙があふれ出た

私が聡哉を傷付けてしまったんだ
あんな中途半端なことでてっちゃんと
付き合って・・・

「ゴメンナサイ・・・」

その言葉しか言えなかった

「乃ノ香っ!!」

「てっちゃん・・・」

なんでこんなところにてっちゃんがいるの?

「乃ノ香、大丈夫か?
聡哉になにかされてないな?」

てっちゃんはしゃがみこんで
私の頬に手をかざす

「なんで・・・どうして・・・」

てっちゃんは少し微笑んでくれた
そしててっちゃんは私の額に唇を
重ねた

「あの5人組が聡哉と乃ノ香の
ことを話してたんだ・・・
それを聞いてここに来た」

そうだったんだ
てっちゃんはさっきのことを話すと
どうなってしまうんだろうか・・・
呆れるかな・・・
それとも・・・

ぎゅっ

「なにも思わない・・・
乃ノ香が好きだから・・・
それにあいつはそこまで出来る奴
じゃないってことは知ってる」

なんで分かったの・・・?
私はまだなんにもてっちゃんに
言ってないはずなのに
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