奇跡みたいな奇跡
てっちゃんは私の身体を強くしめてくる

てっちゃんは私の首にうずくまって
肩が少し揺れていた

もしかしててっちゃん・・・
泣いてる?

私はてっちゃんの柔らかな髪に触れた

「でも・・・でも俺はすんげぇ
心配だった・・・
聡哉はなにもしないって思ってても
乃ノ香の方に向かってるとき乃ノ香の
笑顔が頭に出てきて・・・
どんどん余裕がなくなって・・・」

てっちゃんの言葉は徐々に弱々しくなっていた
ごめんね・・・
辛い思いさして・・・

私の胸はズキズキと痛みはじめていた
私はこのままでいいのか・・・
こんなにてっちゃんや聡哉は
私を好きでいてくれるのに・・・

私はなにもかも中途半端で・・・
こんな人生のままでいいのか・・・

それでも
私はたっちゃんが好き
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