羽田くんとうさ子の関係。
「原田ちゃん、何食べる?」
「あ、あたしはグラタンで」
「じゃあ、あたしはハンバーグを頼もうかな」
メニューを頼むと、本題に入った。
「話の続き、しようか」
「はい…」
「あたしたちが別れたのはね、気持ちのすれ違いかな」
「すれ違い…」
「うん。高校を卒業してね、新しい環境に慣れるのに精一杯で…あたしを大切にしてくれる浩介のことを思う余裕がなかったの」
青木さんは外の景色を見つめる。
「入学して3ヶ月ぐらい経って、やっと生活に慣れて余裕を持てるようになったの。
その時にやっと浩介のことも考えられるようになって…浩介の気持ちが薄れてることに気がついたの」
「佐伯くんの気持ち…ですか?」
どういう意味かな…?
「浩介、あたしへの好きが薄れていたの」
「……」
「あたしといても、浩介は何かよそよそしくて、言いづらいんだけど…体を求められることもなくなっていったの…」
苦笑いで青木さんは言った。
「浩介と溝がいつの間にかできてた…それをなくそうと頑張ったんだけどね……3ヶ月後にフラれちゃったの」
「……」
あたしと亮介とは違う別れ方…。
どちらが悪いという訳じゃない。
新しい環境に慣れようと頑張りすぎて余裕が持てなくなった青木さん。
2人の時間がなくなって、青木さんへの気持ちが薄れていった佐伯くん…。