羽田くんとうさ子の関係。
「うさ子とこんなに仲が良くなるなんて思いもしなかったわ」
「あたしもです…」
最初はブラックリストに登録してたのにね…。
「うさ子は本当バカだったな」
「羽田くんにそんなこと言われたら泣きます」
冗談でそう言うと、いきなり自転車が止まった。
「羽田くん…?」
どうしたんだろ…?
羽田くんは静かに振り返った。
「うさ子、泣かなかったな…」
「…泣きませんよ」
今さっきの羽田くんとは違って、真剣な目をした羽田くんに戸惑う。
「うさ子が泣かねーから…代わりに俺が泣きそうだよ」
そう言って寂しそうに笑う羽田くんの目は本当に少し潤んでいて
それを見た瞬間、
あぁ…あたしは今日でこの人と離れるんだと改めて実感して、視界が歪んだ。
「羽田くん…」
「ん?」
「前向いて漕いで下さい」
「あ、悪ぃ…」
また自転車は進み出す。