羽田くんとうさ子の関係。
「俺だって…俺だって店長や佐伯ぐらいの身長欲しかったよ」
店長も佐伯くんも羽田くん情報によると180あるらしい。
「まぁ、羽田くん。人は身長じゃないですよ」
「そうだな。俺よりうさ子の方が遥かに低いもんな」
「…あたしはいーんです。この身長でま…満足してます」
「してないんだな」
自分の方が身長が高いからって偉そうにしやがって…。
「それより、店の方大丈夫なんですか?」
「あっ、やべ!うさ子が遅いから心配して見に来たら、すっかり戻るの忘れてた」
そう言うと、焦ったように戻ろうとする羽田くんを引き止める。
「あ、羽田くん」
「ん?」
「困ってたところ、ありがとうございました…」
ちゃんとお礼を言うのは恥ずかしくてつい小さい声になってしまった。
でも、羽田くんはそんな小さな声でもちゃんと聞こえたようだった。
羽田くんは笑ってあたしに近づくと頭をグシャグシャにするように撫でた。
「どういたしまして!またなんかあったら今度はちゃんと呼べよ?」
そう言うと羽田くんは笑顔で店の中に戻って行った。
あたしはと言うと、固まってしまった。
頭の中は今さっき見た羽田くんの笑顔と頭で感じた手の温もり。