恋の魔法と甘い罠
でも……



「きっとすんなり別れられると思います」


「何でそう思う?」


「だって……奥さんを見つめる瞳はほんとにやさしくてあたたかなものだったんだもん」



慎也さんと半年付き合ってきたけれど、あんな瞳は初めて見た。


だから、慎也さんがあたしに気持ちはないって断言できる。



「じゃあさ、何で玲夢と付き合ったりしてるわけ? それに……休憩室で睨まれたのは勘違いなんかじゃねーと思う。毎日顔を合わせて仕事してんだぞ。課長の不機嫌な顔くらい、見分けられる」



そう言って溜め息をついた和泉さんは、新たに注文したビールをまたぐいっと煽った。
< 130 / 357 >

この作品をシェア

pagetop