恋の魔法と甘い罠
泣くつもりなんてなかったのに、涙が次から次へと溢れてくる。


昨日和泉さんの前で散々泣いたのに、あたしの中には涙がまだこんなにも残っていたことに吃驚しながらも、


こうやって泣くことで慎也さんへの想いも一緒に流してしまえればいいのに……と思っていた。



そして気づいたら、昨日安心して身を預けることができた大きな胸が目の前にあって。


そのまま、ふわり、と抱き締められた。


この温かさにどこかほっとして、またその胸に額をぐっと押し付ける。


そしたら和泉さんはあたしの髪をすくようにそーっと撫でてきて、それがなんだか心地よくて、そのまま身を預けた。
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