恋の魔法と甘い罠
でもここでちゃんと言わないと、また同じことの繰り返しになってしまうから、小さく深呼吸してから口を開いた。



「もうここには来ないでください。もう終わりにしてください」



そんなあたしの言葉に、慎也さんは更に眉を深く寄せた。


そしてふいっと視線をそらすと、それに答えることなくドアを開けて出ていった。



ガチャン――



と、外から入ってきていた外灯の光の筋が消えたと同時にドアの閉まる音が響くと、ずっと強張らせていた体の筋肉が緩んで、その場にぺたりと座り込んでしまった。


そして心も緩んできたのか、目の奥に引っ込んでいたはずの涙が一気に溢れてきた。
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