恋の魔法と甘い罠
「わりぃわりぃ、玲夢の言い方があまりにも可愛いからさ」


「えっ!」



今、『可愛い』って言った?


何で? どこがどうなったらそんなことを思うの?


予想外の言葉に、頬がカッと熱くなる。


そんなあたしを見て、ますます可笑しそうにしている和泉さんだけれど……


ついさっきまでのことを思うと、自分がこうやって泣かずにいられるなんて想像もできなかった。


きっと和泉さんが一緒にいてくれるからこんなにも落ち着いていられるんだ。


といっても、慎也さんとの別れが悲しくないわけじゃない。


辛くないわけでもない。


胸は痛いし、泣きたい気持ちにもなる。


だけどこうやってあたしのために親身になってくれる人がいるってだけで物凄く心強い。


いまだに可笑しそうに笑っている和泉さんを見ながら……


1日も早く慎也さんのことを忘れるためにも、こうやって手を差しのべてくれる和泉さんに甘えながら、少しずつでも前を見て歩いていけたらいいなと思った。
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