恋の魔法と甘い罠
その瞬間和泉さんの瞳は大きく見開かれた。


でもそれはすぐに細められて、



「それは残念」



そう言って、カウンターに置かれているビールを手にしてぐいっと一気に飲み干した。


そして自分の頭をがしがしと掻きながら大きな溜め息をついた和泉さん。



「何やってんだ、俺は。……やっぱ酔っているよな」



あたしに言っているのか独り言なのか……


その声はあたしにもやっと届くようなぼそぼそと呟くようなもので。


様子をうかがうようにあたしの方へちらりと視線を向けた和泉さんは、小さく息を吐いてから口を開いた。



「でもさ……俺、玲夢を抱いて寝ると、マジで安心できるんだよね」


「えっ」


「ぐっすりと眠れるんだ」


「……」
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