恋の魔法と甘い罠
昨夜は和泉さんが寝たのを見届けてから寝るべきだったのに、どうして先に寝てしまったんだろうと後悔しているあたしに、



「一人にして……って、俺は子供か?」



和泉さんは笑いながらそう言ったあと、俯いているあたしの顔を覗き込むようにして視線を合わせて、



「もしかして勘違いしてる?」



と訊いてきた。



「勘違い?」


「ん」



和泉さんが何を言いたいのかわからなくて首を傾げる。



「失恋で胸を痛めたから眠れなかったわけじゃないからな」


「えっ!」



あたしの反応を見て、和泉さんは自分の言ったことが当たっていたと確信したのか、溜め息混じりに口を開いた。



「もしそうだとしたら、七年半ずっと寝ていないことになるだろ?」



確かに……。


じゃあなんで眠れなかったの?


もしかして、あたしのいびきがうるさかったとか?
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